2010年02月16日

「高齢者限定規定」から新型インフルを除外へ―予防接種法(医療介護CBニュース)

 厚生労働省は2月9日、「厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会」(部会長=加藤達夫・国立成育医療センター総長)の第4回会合を開き、別の新型インフルエンザが将来発生した場合に対応できるよう予防接種法を改正するため、新型インフルエンザワクチンの接種を予防接種法上の定期接種で小児などにも実施できるよう、現行法の「高齢者限定規定」から新型インフルエンザを除外することで合意した。

 現行の予防接種法では、インフルエンザワクチンの定期接種の対象は高齢者のみ。このため部会では、新型インフルエンザの予防接種を定期接種化しても、小児など高齢者以外にも接種できるよう、高齢者限定規定から新型を除外するかどうかが論点になっていた。事務局が示した除外の範囲は、(1)今回の新型のみが対象(2)将来発生する可能性のある別の新型も対象(3)季節性も対象―の3つ。

 9日の会合で岡部信彦委員(国立感染症研究所感染症情報センター長)は、2001年に高齢者限定規定が設けられた際、「小児の議論も行われたが、当時は十分なデータがなかった」と説明した。その上で、今回の新型インフルエンザでは「小児の集団で(患者が多く)発生するので、非常に社会的な問題になっている」と指摘。「小児に(まで対象を)広げることは、現在の疫学情報からできるのではないか」との考えを示した。廣田良夫委員(大阪市立大大学院医学研究科教授)ら他の委員も、「高齢者限定規定は外した方がよいと思う」とこれに同調した。
 これに対して事務局は、「季節性については、01年当時に(高齢者)限定をかけるべきだとおっしゃった方もいるし、(当時と)大きく違うデータが集まっているわけでもない」ため、「季節性まで外しにかかると、新型まで除外できなくなってしまう可能性がある」と指摘。高齢者限定規定から、今回の新型と、将来発生する可能性のある別の新型のワクチンに限って除外するよう提案し、了承された。

 インフルエンザは、1994年の予防接種法改正で対象疾病から除外された。しかしその後、特別養護老人ホームなどでの高齢者の集団感染や重症化、死亡が問題になり、2001年に改正された予防接種法の附則で、高齢者に限定して定期接種の二類疾病に位置付けられた。


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2010年02月15日

東京・玉川署で男が拳銃奪い発砲、警官けが(読売新聞)

 13日午前1時頃、東京都世田谷区中町の玉川署2階留置事務室で、傷害容疑で現行犯逮捕された男が、同署刑事組織犯罪対策課の男性巡査部長(35)から拳銃を奪って2発発砲、1発が巡査部長の腕に当たった。

 巡査部長は病院に搬送されたが、命に別条はないという。男はその場にいた別の警察官に取り押さえられ、殺人未遂の容疑で現行犯逮捕された。

 発表によると、逮捕されたのは住所不定、無職福盛一也容疑者(43)。12日午後9時20分頃、同区内の路上で、通行人の男性と口論になって顔を殴ったとして傷害容疑で現行犯逮捕されていた。

 取り調べが終わり、巡査部長ら署員6人が留置事務室で留置手続きをしようとしたところ急に暴れだし、巡査部長の腰のホルダーから拳銃を引き抜いて発砲したという。拳銃は回転式で安全装置はなく、弾は5発装てんされていた。男は酒に酔った状態だったという。

 同署の藤本正夫署長は「一時的にせよ、被疑者に拳銃を奪われ発砲されたことは遺憾」とコメントしている。

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2010年02月13日

【静かな有事】第3部 逆転の発想(2)減る支え手…「助け合い」知恵比べ(産経新聞)

 急速に進む少子高齢化。社会の支え手が減れば、税収も減り、行政の対応にもおのずと限界が生じる。若者が激減する地域では、高齢者同士が支え合う機会が増えることも予想される。この逆境を、かつては当たり前だった「助け合い」の精神で乗り切ろうという動きも出始めている。

 気温10度以下に冷え込む寒空の下。横浜市栄区の高台にある公田町(くでんちょう)団地(1160戸)の集会所前は多くの高齢者でにぎわっていた。団地の住民で組織するNPO法人「お互いさまねっと」が毎週火曜日に開く青空市だ。

 取れたての野菜や果物、弁当、トイレットペーパーが所狭しと並ぶ。買い物を終えた近藤カツヨさん(70)は「団地の外に行くにも急坂がきつく、バスやタクシーを使わないといけない。青空市はとても助かる」と笑顔を見せる。

 青空市が始まったのは平成20年10月。前年、団地内のスーパー跡地に入居していたコンビニエンスストアが撤退したことがきっかけだ。日用品を買う店の確保まで行政に頼るわけにはいかない。自治会長でNPO法人理事長の大野省治さん(79)は「ここ数年、孤独死もあった。自分たちで何とかしようと有志で立ち上げた」と振り返る。

 青空市は「お互いさまねっと」のメンバーが早朝から近所のスーパーや農協へ出向き商品をそろえる。自宅まで商品を持ち帰るのが大変な高齢者には付き添いも行う。いまや青空市は住民のコミュニケーションの場だ。「買い物に来ない高齢者の安否確認にもなる」と大野さん。近く喫茶サービスも予定している。

                  ◆◇◆

 身近にお店がなく買い物がままならない“買い物難民”は全国的な問題だ。高齢者が栄養不足に陥るケースも目立つようになってきた。不安は募るばかりだが、新たな「支え手」も登場し始めた。

 65歳以上が市民の4人に1人を占める富山県高岡市では、郊外に出店した大規模商業施設の影響で、中小スーパーの閉店が続いた。車を運転できない高齢者は不便さに困り果てる。

 NPO法人「買物くらし応援団」の能崎(のざき)博代表(67)が同級生らとともにボランティアで高齢者に日用品の配達を始めたのは18年だ。地元スーパーの2階に事務所を間借りし、会員から注文を受けた商品を階下のスーパーで購入する。年会費1千円、配達料1回100円で請け負う。

 1日の配達は約20件。注文、買い出し、配達をボランティアスタッフ9人で分担する。能崎代表は「スーパーの協力がないと財政的には苦しいが、配達に行くとついお客さんと話し込んでしまう」と楽しそう。

 大型トラックの荷台がコンビニ店舗に早変わり。鳥取県江府町などでスーパーを展開する「安達商事」は、コンビニエンスストア大手「ローソン」と提携し、専用に開発した「ひまわり号」で山間集落を回る。安達享司社長は「ローソンの商品を置くことで若者にも客層が広がった。全国で少子高齢化が進む中、各地のスーパーなどがうちに注目する」と話す。

                  ◆◇◆

 「これまで日本の社会保障のモデルは高福祉高負担の北欧諸国だったが、これらの国も高齢化が進み、税率を上げられなくなっている。最近は逆に北欧諸国が『官民共同の日本のやり方を学びたい』というようになってきた」と指摘するのは東大高齢社会総合研究機構の秋山弘子教授だ。

 日本は男性の平均寿命が79・29歳、女性86・05歳(20年)と世界でもトップクラスの長寿国。「高齢化は公害などと違い、国民が努力した結果ととらえ直す必要がある」と語る。

 千葉大学の広井良典教授の分析によると、地域で生活する「地域密着人口」の割合は、定年退職者の増加に伴い今後40年間で現在の約35%から50%近くまで増える見通し。地域活動の重要性はますます高まる。

 同機構は千葉県柏市で高齢社会に対応した街づくりの社会実験を始めた。団地の屋上や休耕地を農園にして、定年退職後の高齢者が収入を得る場を作る。東大大学院の研究室は、住民が事前予約するとコンピューターが自動的に運行計画を作成し、指定したバス停に車が時間通りにやってくる「オンデマンドバス」の実証実験を行った。

 秋山教授は「日本が少子高齢化問題をどう解決するか世界が注目している。先進モデルを示すことは日本が世界に貢献できるひとつの領域だし、そこにはビジネスチャンスも生まれる」と力を込める。

 政府も1月末、公共サービスを官民が協力して行う「新しい公共」の検討会議を立ち上げた。企業や地域社会、家族などすべての社会構成員がその役割と責任をどう分担するのか。少子高齢化社会は、助け合いの知恵比べも促している。

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